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カジノはマカオの基幹産業。2010年のカジノを中心とする賭博業収入は09年比58%増の1883億パタカ(約1兆9200億円)と、単純計算で域内総生産(GDP)の8割以上に達する。毎月の賭博業収入は前年同月比3割以上の伸びが続き、4月も45%増の205億パタカ。「顕著な減速の兆しはなく、11年も賭博業収入は前年比で32.4%伸びる」(クレディスイスのガブリエル・チャン・アナリスト)との強気の見方が主流。30日に発表した1~3月の実質GDP伸び率も前年同期比21.5%だった。(略)
いい話ばかりにみえるが、カジノ景気に死角はないのか。その芽はいくつか出始めている。
1つはインフレ。10年にGDP26%増という空前の高成長を記録するなど経済の過熱により、3月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同期比5.46%。今年1~3月から公表を始めた「観光客価格指数」は第1四半期で14.58%の高い伸び。ホテルやレストランの価格高騰は顕著で、一部の来訪者を思いとどまらせる可能性がある。
2つ目はカジノ偏重のリスクだ。「ギャラクシー・マカオ」のような総合型施設は少なく、10年のマカオの観光客の平均滞在日数は0.9日。ギャンブルにいそしみ、日帰りでマカオを後にする人が多いことをうかがわせる。澳門大学工商管理学院の蕭志成副教授は「非ギャンブル産業の育成に心を砕き、カジノ運営会社は持続可能なビジネスモデルの確立を重視すべきだ」と指摘する。規模では追い抜いたが、様々なエンターテインメントが楽しめるラスベガスは今後も手本となる。
3つめは「中国リスク」だろう。1~4月のマカオへの来訪者延べ876万人のうち、中国本土からが56%を占める。時期は少しずれるが、10年の来訪者1人あたりの消費額は全体平均の1518パタカに対し、中国本土からは2039パタカだ。
今は好景気とカネ余りを背景に、賭博が好きな中国本土からの来訪者が陸続きの広東省の珠海から続々とやってくる。しかし、経済の減速に加え、マカオに飽きて、やはりカジノがあるマレーシアやシンガポールなどに客足が流れることも考えられる。
「カジノ」と「中国本土」に依存する経済構造が、あだになることもありうる。
ギャンブルの街として知られるマカオで15日、最新の大型複合カジノ施設がオープンした。ギャンブル台やスロットマシンに加え、人工の屋外プールや50軒以上のレストランなどを擁する。施設の一つとして、ホテルオークラが日系の高級ホテルとして初めてマカオで開業した。
オープンしたのは「ギャラクシー・マカオ(澳門銀河)」で、香港上場のギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)が運営する。マカオのコロアン島とタイパ島の間を埋め立てたコタイ地区にあり、総投資額は149億香港ドル(約1550億円)で、総面積は約55万平方メートル。同日開業したホテルオークラは地上29階で客室数は488室。他の2つのホテルと合わせ施設内のホテルの客室総数は約2200室。