イスラム政党による国家運営を疑問視する声もある。民主化デモで主要な外貨獲得源だった観光産業は20%も落ち込み、資金の国外逃避も深刻化している。それなのに、厳格なイスラム政党は銀行の利子だけでなく、たばこや酒、水着の禁止を視野に入れている。政権運営の経験に乏しいムスリム同胞団が、落ち込んだエジプト経済を立て直すのは簡単ではない。
— 「中東の盟主、遠い民主化」, ニューズウィーク日本版, 2012.1.4-11, p.49.
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中国政府はインターネット上の情報管理をさらに強化するため、4日までに「国家インターネット情報弁公室」を国務院に新設した。ニュースを扱うウェブサイトや動画サイトに違法な内容がないかを常時審査する。通信会社やネット接続事業者(プロバイダー)への指導、ネットでの情報発信や情報統制に関する法整備にもあたるという。
中国国営新華社によると、新組織のトップは国務院新聞弁公室の王晨主任(閣僚級)が兼務。副主任は国務院新聞弁公室と公安省、工業情報化省の各次官級が兼務し、関係省庁間の連携を図る。
中国政府はネット情報がエジプトなどの反政府運動の引き金となったことを警戒。胡錦濤国家主席は民主化運動を懸念し、社会の管理を強化する方針を打ち出している。
— 「ネットの情報管理、中国が一段と強化 民主化運動懸念し新組織」, 日本経済新聞(朝刊), 2011年5月5日.
あのジョージ・オーウェルが小説『1984』において危惧していたのは、「ビッグブラザー」としての政府によって、市民の一挙手一投足が監視される未来社会だった。しかし、ウィキリークスやフェイスブックの登場は、政府活動の陰の部分を含めたあらゆる情報を明らかにし、勇気ある市民が声を結集し、命を懸けた政治行動を起こすための強力な武器を与えた。監視されるのは市民ではなく、政府であるという「逆パノプティコン社会」の到来だ。
— ジョン・キム『逆パノプティコン社会の到来』, p.234.
すでに6億人の人口をもつ仮想国であるフェイスブックが(正確にはその利用者集団が)特定の政治的な志向を追求した場合、そのパワーは計り知れない。
経営学(キャズム理論)では、人口対比16%の普及率を超えたときに、その製品やサービスは社会のなかで一気に普及していくと言われている。
日本でこそ現在人口の2%弱(250万人)しか利用していないフェイスブックだが、人口対比16%の普及率を超えている国は世界ですでに 100カ国を超える。つまり、多くの国ではフェイスブックが一種の社会的なインフラになりつつあるのだ。
— ジョン・キム『逆パノプティコン社会の到来』, p.233.
もし、デモの背後に、特定の政党や一匹狼的なカリスマリーダーが存在したら、かれらの逮捕により運動は急速に衰えてしまっていたかもしれない。それが存在しなかったことが、政府にとっては、取り締まりを難しくしていたと言えるだろう。
— ジョン・キム『逆パノプティコン社会の到来』, p.218.