shungo.arai

A marketer working for an social gaming company in Tokyo.
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春の労使交渉は今年も定期昇給(定昇)の実施など目先の賃金をどうするかが争点になり、賃金制度そのものの改革の議論は深まらないまま一段落した。

年功制の見直しなど賃金制度改革を加速しないと企業の国際競争力は低下する。企業の収益力が落ちれば賃金や雇用が減る心配がある。労使は当座の賃金をどう決めるかだけでなく、企業の成長を促す賃金制度づくりを急ぐ時だ。

トヨタ自動車、ホンダ、パナソニックなど自動車や電機の労組は今年、世界経済の先行きが不透明なため3年連続で賃上げ要求を見送り、勤続年数に応じて賃金が上がる定昇の確保を最優先にした。

大半は定昇を守れたが、実質的な賃金引き下げを阻止できたにすぎない。年間一時金の会社側回答も前年実績割れが相次いだ。

かつて賃上げ相場づくりを主導した力は、自動車や電機の労組にない。有力業種が賃上げをけん引する春闘方式は完全に崩壊している。春に集中して賃金交渉をすることで様々な業種に賃上げを波及させる春闘は、経済が右肩上がりで伸びた時代のものだ。

労組は春闘によらずに賃金を上げる道を考える必要がある。社員の意欲を高め、人材を採りやすい賃金制度にして企業の競争力を高めることが賃金増につながる。

重要なのは定昇などの年功賃金の改革だ。今も日本企業の賃金は勤続30年ごろまで伸び続けている。役割や成果に応じた処遇に改める余地は大きい。専門性のある人材や外国人の採用を増やすうえでも年功制の見直しは不可欠だ。

労組は定昇制度の維持を強く主張するが、勤続年数が上がるごとに技能が身につき、生産性が高まりやすい若手の段階などを除き、年功制が合理的でない点を直視すべきだ。経営側も春の交渉の時期に定昇制度の見直しを言い出すのでなく、年間を通して賃金改革を議論する姿勢を示す必要がある。

人口減による労働力不足への対策として、高齢者や女性を活用する工夫も欠かせない。定年後の再雇用では、生産性が高い人は処遇を引き上げれば再雇用者の士気が向上する。人件費の配分を見直してパートの賃金を引き上げれば、子育てにひと区切りがついた女性を戦力にしやすくなる。

労使が議論しなければならないことは山積している。目先の賃金ばかり議論していては経営環境の変化から取り残されるだけだ。

— 「社説:『春闘』と決別し賃金改革の議論を深めよ」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年3月18日.
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人材紹介大手のジェイエイシーリクルートメントによると、中国での就職希望者は年々増加。現在は年100人近くを紹介しているが、30歳前後が6~7割を占めるという。ただ近年は外国人就業規則の運用が厳格化しており、実務経験のない日本人留学生が、中国でそのまま働くのは難しくなっているのも実情だ。

駐在員などとして海外で働くことを夢見る若者は以前からいた。ただ企業で駐在員になれるのは30代半ば以降のことが多く、必ずなれる保証もない。「いつかは海外」と座して待つのではなく、転職してでも即座に機会をつかもうとする若者も増えている。

— 「国境なき就活 若者、成長続くアジアへ - 自分磨き志し『片道切符』 給与・昇進 リスクも覚悟」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年1月23日.
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イオンは2011年度から、中国、ベトナムなど海外6カ国、計9都市で採用活動に乗り出す。各地で会社説明会や試験を実施。日本人を含め、国境を越えて仕事をするグローバル人材を3年で約2500人採用する計画だ。アジア展開を加速するため多様な人材を集める。

これまではスーパーなどを運営する中国やマレーシア、タイの現地法人が個別に採用していた。今年度からは小売りだけでなく金融やサービス業などグループ全体での採用とする。中国は上海、北京など3都市で、米ではボストン、ロサンゼルスで説明会や試験を開催。ロンドン、ホーチミン、バンコク、クアラルンプールでも催す。

日本でも語学が堪能なことを条件に、アジアで勤務するグローバル人材を採用する。将来の幹部候補も一括採用するため、これまでグループ会社ごとに別々で実施してきた筆記試験や1次面接の基準を統一する。

イオンは11年度、グループで10年度に比べ3割多い約2000人を採用。13年度までの3年間で計約1万人を採る。多様な国や業種で働ける点をアピールし、人材を確保したい考えだ。

— 「イオン、今年度から6カ国で採用活動 アジア展開加速にらむ」, 日本経済新聞(朝刊), 2011年5月13日.
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“1998年の香港職工会聯盟の調査でマクドナルドの時給がわずか11香港ドルだったことをきっかけに、99年に李卓人氏が香港議会で最低賃金の立法化を要求。昨年7月、最低賃金条例が成立した。香港では月給制が中心だが、一部で常態化していた長時間労働の慣行を改めるため最低賃金は時給で設定。香港に隣接する深セン市の最低賃金は中国本土で最高の月1320元(約1万6500円)。”
— 「香港の最低賃金制度とは」, 日本経済新聞(朝刊), 2011年5月1日.
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香港政府は5月1日、時給28香港ドル(約300円)の最低賃金制度を導入する。10年以上に及ぶ曲折を経てようやく実施にこぎ着けるが、労働者の権利保護はなお不十分との指摘が多い。高まる人件費負担から従業員の解雇に踏み切る中小企業が現れたほか、投資環境の競争力低下を懸念する声も根強い。(略)

背景には深刻な貧富の格差がある。国連開発計画が2009年に公表した貧富の格差を示すジニ係数は、先進38カ国・地域の中で最大の0.434。一人あたり国内総生産(GDP)は3万米ドルを超えたのに、取り残されたと感じている層が多いのが実情だ。李 [卓人・香港職工会聯盟秘書長] 氏はさらに最低賃金の定期的な引き上げや団体交渉権の法制化などを目指す。

自由放任経済を受け入れてきた香港市民の意識にも変化がうかがえる。香港理工大学が4月13日に発表した世論調査では「労働者の権利や利益に関心を持つことは重要」との回答は97%。「株主が合理的な利益を得ることは重要」との回答(83%)を上回った。同大の鐘剣華・社会政策研究センター主任は「政府が自由放任に力を入れすぎ、分配に手を打ってこなかった」と指摘する。

— 「香港、最低賃金制を導入 時給300円、きょうから 権利保護、なお途上の声」, 日本経済新聞(朝刊), 2011年5月1日.