shungo.arai

A marketer working for an social gaming company in Tokyo.
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中国のレストランでウエートレスに注文する際、なんと呼び掛けるか。これは決して簡単な問題ではない。計画経済の色濃い時代は「同志(トンチー)」だった。そしてサービスは悪かった。同志が同志に提供するのだから、と納得した記憶がある。

▼改革・開放政策が本格的に動き出して急速に台頭したのが「小姐(シャオジエ)」という表現だ。もともとは、未婚の女性に対する伝統的な呼び方。中国大陸では共産党政権の下でいったん絶滅したかにみえたが、政策が変わったおかげで晴れて復活した。台湾や香港など大陸以外の中国語圏では、昔も今もこれが一般的らしい。

▼ところが大陸、特に北京や東北地方の都市部などでは近年、またもこの言葉が使いづらくなっている。今回の原因は政治ではなく、1990年代からの社会の変化にあるようだ。ウエートレスたちにとっては好ましくないニュアンスが、つきまとうようになった。代わって広がったのは「服務員(フーウーユエン)」という呼び方だ。

▼これはいくら何でも味気ない、ということなのだろう。上海ではさらなる変化が生まれている、と聞く。「服務員」にかえて「美女(メイニュー)」と呼び掛ける人が、増えているそうだ。時代が移ろうにつれて言葉も変わるのは、当たり前。だが、高成長を続ける近年の中国では何とも速い。ついていくのも一苦労だ。

— 「春秋」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年3月25日.
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中国政府が国営メディアを使った海外発信能力の強化に乗り出す。2012年度政府予算案では関連予算を4割近く増やし、テレビ局の海外人員の拡充、英字紙の海外無料配布など英語による情報発信を後押しする。中でも外交戦略上重視する米国とアフリカの事業を重点的に拡充し、イメージ向上を狙う戦略だ。ただ中国メディアによる外国人記者らの引き抜きが目立ち始めており、反発を買う恐れもありそうだ。

中国の従来のソフトパワー戦略は中国語を教える「孔子学院」の設置など総花的に中国文化の紹介や浸透を狙う性質が色濃かったが、それを事実上、転換するものといえる。中国政府の見方や見解などを報道機関が英語で発信する場を増やすという動きには、より明確なメッセージを世界に出したいという思惑がうかがえる。

●引き抜き活発 中国財政省は14日閉幕した全国人民代表大会(全人代)に出した12年度予算案で「主要メディアの海外発信能力を強化」する費用を計上。その規模は前年比37.5%増の27億5千万元(約360億円)にのぼった。

既に動きは出始めている。中国中央テレビ(CCTV)は1月にケニア・ナイロビに新テレビ局「CCTVアフリカ」、2月に米ワシントンに「CCTVアメリカ」をそれぞれ開設、現地で番組制作を始めた。海外で番組づくりをするのは初めてで、まず1時間番組を毎日1本ずつ制作し、いずれアフリカ、米国双方で現地から24時間体制で発信する計画だ。

成否のカギとなるのは人材だ。米国では過去半年だけで約70人を採用した。国際展開で先行する英BBCや中東の衛星テレビ局アルジャズィーラから記者、キャスター、プロデューサーを年俸20%アップで引き抜くケースもある。

●アルジャズィーラ意識 政府系英字紙チャイナ・デイリーは昨年から米9都市で無料配布を始めた。ワシントンとニューヨーク、シアトルの3都市では毎日発行。ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ボストン、ヒューストン、アトランタの6都市では週刊として金曜日に配布し、合計17万部を発行する。

国連本部や各国大使館、シンクタンクなどに届けているほか、地下鉄の駅前にも山積みしている。チャイナ・デイリー米国支社の紀涛支社長は「中国社会の多様な側面を紹介しようとしている」と語る。無料配布で知名度を高め、いずれ有料に切り替える戦略だ。

こうした海外への攻勢はアルジャズィーラに触発された面がありそうだ。同局は「アラブの春」で報道をリードし、リビアやシリアの既存政権に厳しい世論を形成した。中国政府では「アルジャズィーラのオーナーであるカタール政府はアラブで最も発言力のある国になった」(シリアのムスタファ駐中国大使)という分析が聞かれている。

— 「中国メディア、海外発信強化 人員拡充や英字紙無料配布…イメージ向上の思惑」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年3月20日.
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中国で商標権を侵害したとして米アップルを訴えた中国企業が米国でもアップルを相手取って訴訟を起こしていたことが24日までにわかった。当初は中国内のささいな訴訟事件とみられていたが、対立はどんどんエスカレート。背後で中国の銀行が訴訟を操っているとの見方も出ている。

米国で訴えたのは、中国のIT(情報技術)機器メーカー、唯冠科技深センの台湾グループ会社など。アップルが多機能携帯端末(タブレット)の名称に使っている「iPad(アイパッド)」の商標は、もともと唯冠のグループ会社が商標権を持っていたが、2010年にアップルの関連会社に3万5000ポンド(約450万円)で売却した。

唯冠側はアップルが名前を隠して商標権を安く買っており、この行為は詐欺に相当すると主張している。アップルはコメントを控えている。

iPadを巡っては、アップルが唯冠の台湾グループ会社から全世界の商標権を購入したと主張。一方、唯冠側は台湾のグループ会社が売却したのは海外の権利だけで、中国での商標権は唯冠科技深センが保有したままだと反論。唯冠は商標権侵害で中国各地で販売差し止めの訴訟を起こした。

同社の弁護士によると、唯冠は販売不振で経営が破綻状態にあり、中国国有の中国銀行、国家開発銀行、交通銀行など大口債権者が資金回収を急いでいる。このため「損失を補填しようと唯冠を操ってアップルから多額の金銭を引き出す狙いだ」との見方が多い。

ただ、今回提訴した場所はアップルのお膝元である米カリフォルニア州サンタクララ市。アップルや米国政府を過度に刺激し、米中の政治問題に発展する可能性も出てきた。中国のIT業界関係者は「中国政府は債権者である国有銀行に働きかけ、アップル側と商標権問題の落としどころを探るべきだ」と指摘する。

— 「iPad訴訟、米に飛び火 背後に中国国有銀か 破綻企業の資金回収急ぐ」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年2月25日.
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中国企業が米電子機器大手アップルの多機能端末iPad(アイパッド)の商標権を主張し、電器店などに販売差し止めを求めた訴訟の判決で、広東省恵州市の中級人民法院(地裁)は20日までに、同市の電器店にiPadと関連商品の販売停止を命じた。中国紙、南方週末(電子版)などが伝えた。

訴えていたのは広東省深セン市のIT(情報技術)企業「唯冠科技(深セン)」。同社は複数の裁判所で同様の訴えを起こしているが、販売停止の判決は初めて。

— 「iPad販売停止命令 中国地裁、商標権侵害認める」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年2月21日.
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中国の最高実力者、トウ小平氏が南部の都市を回り、市場経済化の大号令をかけた「南方講話」の最終日から21日で20年になる。社会主義と市場経済を結びつけた発展戦略は、急速な経済成長を実現する一方、富をひとり占めにする特権層を生み出して貧富差の拡大を招いた。今秋、最高指導者の地位に就く習近平国家副主席が「社会主義」と「市場」のどちらに軸足を置くかは、世界経済の行方をも左右する。

- 「中国経済、膨らむ矛盾 『南方講話』20年 市場主義シフトで貧富差拡大、習氏どう改革」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年2月21日.

中国の最高実力者、トウ小平氏が南部の都市を回り、市場経済化の大号令をかけた「南方講話」の最終日から21日で20年になる。社会主義と市場経済を結びつけた発展戦略は、急速な経済成長を実現する一方、富をひとり占めにする特権層を生み出して貧富差の拡大を招いた。今秋、最高指導者の地位に就く習近平国家副主席が「社会主義」と「市場」のどちらに軸足を置くかは、世界経済の行方をも左右する。

- 「中国経済、膨らむ矛盾 『南方講話』20年 市場主義シフトで貧富差拡大、習氏どう改革」, 日本経済新聞(朝刊), 2012年2月21日.