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何故、われわれ日本人は、企業の活動に関して“公”と“私”の区別がつけられないのでしょうか。その一つの重要なファクターは、われわれ日本人と企業との距離感にあるといえるでしょう。最近、かなり変化しているとは言われますが、わが国の雇用慣行、特に大企業の慣行は終身雇用制が中心になっています。大学を卒業して企業に入ると、多くのケースでは定年を迎えるまで、当該企業で働くことが一般的です。
その為、多くの従業員は、企業に対し、強い帰属意識を持ち、高いロイヤリティを抱くと思います。極端な場合には一種の“運命共同体”のような感覚になることもあるでしょう。ある面に関しては、そうした要素は企業にも従業員にもプラスの要素と考えられます。企業は、従業員から企業秘密が漏えいすることなどを心配しないで済んだかもしれません。一方、従業員にとっても雇用の安定性を保証してもらえるメリットがありました。
一方、従業員から企業のトップまで上り詰めた経営者が、「企業は自分のものだ」と思ってしまうことは極めて危険です。経営判断を行う場合、“私”の要素が強くなると適正な判断ができなくなることも考えられます。特に、大王製紙のケースのように経営者が創業者一族出身で、当該経営者の判断が間違ってしまえば、企業の屋台骨を崩してしまうような損失を与えることも考えられます。
— [JMM666M]オリンパス、大王製紙、読売巨人軍、一連の事件から学ぶことは?, 真壁昭夫, 2011.12.12