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中国国内にいる北朝鮮を脱出した住民(脱北者)を巡り、日中両政府が「日本政府が日本公館に連れてきて保護しない」と非公式に合意していたことが8日、分かった。脱北者の流入の増加を懸念する中国側の求めに応じた。政府筋は「国際ルールとの兼ね合いもありやむを得ない措置」としているが、人道上の配慮を求める声も強い。政府の対応に批判もでそうだ。
日本政府関係者によると、日中両政府は今年初め、こうした内容を口頭で確認、その後にメモとして交わしたという。日本側は、公館外で日本政府関係者が脱北者と接触して公館に連れてくることはしない、と伝えた。これにより、日本政府が中国国内で脱北者を保護するのは、脱北者が日本国籍を持っている場合を除いて事実上、公館に駆け込むケースに限られることになる。
合意は、日本政府が2008~09年に中国遼寧省瀋陽の日本総領事館で保護した脱北者の日本移送を計画した際にできた。中国側が移送の条件として「連れ込んで保護しない」との約束を求めたためという。
中国政府は脱北者を不法入国者とみなし、北朝鮮に強制送還している。特に北京五輪を控えた08年ごろから治安対策の目的で取り締まりを強化。日本にも「中国の国内法の尊重は重要だ」と伝え、脱北者の保護や支援に取り組まないよう圧力をかけてきた。国際法上は在外公館に難民を保護する権利はない。
玄葉光一郎外相は8日の参院外交防衛委員会で合意の有無は明らかにしなかった。一方で「日本が中国で脱北者を受け入れないとの誓約書を出したことは絶対にあり得ない」と強調。脱北者が日本公館内に駆け込んだ場合は保護する立場を示した。政府関係者によると、公館外から脱北者を連れてくる形式は途絶えているようだ。
— 「日本公館外から脱北者連れ込まず 中国と非公式合意」, 日本経済新聞(朝刊), 2011年12月9日.